只今わたくし、改札鋏…

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これね、改札鋏(かいさつきょう)って言うんです。

今回の小道具の主役でした^^。

この道具の名前も知らなかったオイラは、小道具を担当してくれてたメンバーに、

「あのー~~アレ、駅の改札でカチカチやるやつ探してくれ」って頼んだら、なんだか変な別物のパンチみたいなのが届いて愕然とし、仕方がないので自分で探したら物語が広がった^^。

改札鋏は、
一本一本職人の手作りって事、駅によって切り口の形が違う事、大きな駅では時間帯によっても形が違う事、直ぐに歯がダメになる事、はさみを入れる事は旅の始まりの合図って事。

たった一つの小道具からでも背景が想像でき、物語を創造し得る。

正直、僕は探してくれる人達がそれを知って、それから僕に教えて欲しかった。

小道具を探す事は物語に出会う事…。めっちゃくちゃ楽しい事だと思う。

道具一つ、衣装一つ、台詞一つ、歌詞一つ、…一つ一つ大事にしていく事をすれば、世界はとんでもなく広がって行く。

あんなに頑張ったダンスも、こだわった台詞も、歌も、たったの一つの音符も、今はもう存在しない…。

正にあの瞬間に、あの場所に居合わせた人達との間にしかなかったのだ。

今はもう見る事ができない。だからこそ一つ一つの瞬間を大事にしなければならない。

「わたくし、只今ここに生きております」が舞台。

だから僕は舞台が大好きだ。と言えるのだ。

せっかくの『只今』の瞬間に、自分が緊張している事に留まってしまったり、間が埋められないでいたり、お客さんとの間にある空間を大事にする以外の事に翻弄されてしまったら、舞台なんてやっている意味はない。

「OK」の出たシーンだけを切り繋いで、映画でもやればいい。(因みに映画は大好きです^^)舞台はその日その瞬間にしかつくれない芸術って事が映画との違いであるならば、やっぱりそれは最大の魅力な訳で、その魅力の中で生きるって事が、素敵で大切な事なのです。

その第一歩が道具、衣装、音、台詞の一つ一つと大事に向き合うって事なのです。

by nora.ivy.mie3 | 2009-10-29 23:52  

<< え、営業です^^。 ありがとうございました。 >>